ジャズ教室に通わずにどうやってジャズを身につけるか |
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ピアニストのSAYANに貸していた本が返ってきた。それが、なぜこのタイトルになってしまうのか。それは1冊の本にまつわる話。
僕が今までに一番お世話になったジャズの本が、『はじめてのジャズ・ピアノ・トリオ』(リットーミュージック)。著者は宮前幸弘さんで、天宮バンドでCDも出しているピアニストだ。この本、10曲のスコア楽譜とCDがついて2400円だからお得。
ジャズベース始めようと思ったときに、渋谷のYAMAHAに行っていろんな本を探したけど、結局、スタンダード曲にベースラインをつけてある本は、これしかなかった。ピアニストのために書かれた本だけど、ありがたいことに、全曲に、ベースを含めたスコアが掲載されている。僕のように、“楽譜がないと何もできない派”のジャズ入門者にはぴったりの本だった。
ベース奏者が近くにいないピアニストが、ほかの人に別な楽器でベースのパートを演奏してもらったり、自分でベースのパートをピアノで録音して後で合わせたりできるようにとの配慮だ。(日本のジャズ出版界には、もっとこういうやさしさがあったらいいのにな)。
さて、結論を急ごう。
ジャズ教室に行くお金も時間もない人で、まわりに誰もジャズ関係の知り合いもいない人が、早くジャズ演奏の体験をするためにはどうしたらいいかのKOJI式練習法。(ただし、この場合は都内にアクセスできる人に限られるが)
1 まずこの本を読んで、最初の曲「Bag’s Groove」のコード進行を練習して、Fのブルースをちょっと理解し(たつもりになっ)てみる。
2 池袋のマイルスカフェの「超初心者ジャム」に申し込んで、「Now’s the Time」の演奏にいきなり参加する。2時間ずっとこの曲しかやらないけど、「Bag’s Groove」やっとけば一応大丈夫。楽しい経験ができるよ〜。
この2つを、何回か繰り返す。つまり「本」で読んで、「CD」聴いて、あとは「実践」。(池袋のマイルスカフェは、最近、「超超初心者ジャム」や「はじめてジャム」まで新設したから、この本を読まずにいきなり参加しても大丈夫かもしれない)。
そして、ある程度、マイルスさん通いをして、“ジャズフィール”を身につけたら、今度は、
3 目黒ジャムハウスの月曜の「初心者セッション」あたりに出かけて度胸をつける。
そうすると、その頃には、
セッションで会った人たちと少しずつお友達になって、「じゃあ今度どこかで合わせませんか」みたいな感じになり、いつのまにか、ジャズライフの始まり始まり・・・。
もちろんジャズ教室に通うのがベストだろうが、こんな方法もあるよということ。
実は、同じく“楽譜ないとダメ派”のピアニストSAYANと、どうやったらクラシック=「楽譜派」がジャズ=「楽譜なくても大丈夫派」に移行できるか、この本を使って共同研究するつもりだったが、彼女が自分の(ジャズ以外の)演奏活動が忙しくて、全く実現しないままだ。
果たしてSAYANとのこの共同研究は、幻のままで終わってしまうのか、いつか完成することがあるのか・・・。完成すれば、ジャズ発展の歴史に大きく貢献できる貴重な研究になることだけは間違いないのだが。(2006.8.22)